坂根康之 (Yasuyuki Sakane) - Systemic Architect & Causal Codemancer
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Yasuyuki Sakane

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      坂根康之 (Yasuyuki Sakane) - Systemic Architect & Causal Codemancer

      コンサルティングファーム「知的な欺瞞」への宣戦布告:なぜ組織の脳は死んでいくのか

      個を超えて知が集う時代

      · 構造知性,AI

      【論考要約】高額報酬は組織を『脳死』させる手付金

      ギグ市場分析と海外案件獲得のVVP戦略

      © 2025 Yasuyuki Sakane (yasuyuki@sakane.dev). All rights reserved.

      2025年7月、坂根康之は海外VC向けの講習会で、自ら執筆したレポート『なぜ「優秀な個」が組織を殺すのか?:コンサルティングにおける暗黙知の民主化と再生』をプレゼンしました。しかし、本来語るべきは「優秀な個が組織の自律性を奪い」「知的な廃墟へと変貌させるコンサルティング業界の残酷な実態」でした。本稿は、その際に飲み込んだ言葉を一つずつ拾い上げ、組織の脳死を招く知的欺瞞への宣戦布として私自身の良心に基づき綴る真実の吐露でもあります。

      はじめに:煌びやかな廃墟の中で

      私は今、ある種の「共犯者」としての懺悔を込めてこの文章を書いています。

      • コンサルティング業界:「知の殿堂」「変革のプロフェッショナル」「選ばれしエリート集団」

      市場からはそのような華やかな言葉で飾られ、企業からは高額な報酬という供物が捧げられてきました。しかし、その内実を認知科学のメスと社会工学のレンズで解剖してみると、そこに広がるのは恐るべき「知的な廃墟」の光景です。

      私たちがクライアントに納品している、洗練されたフォントと精緻な図解で埋め尽くされたパワーポイント。あれはいったい何なのか。それは「組織の知恵」の結晶などではありません。特定の個人の脳内にのみ存在する回路を切り売りした、再現性のない「スナップショット」に過ぎないのです。

      私たちは、一つの重大な嘘をつき続けてきました。「優秀なコンサルタントを雇えば、あなたの組織は強くなる」という嘘です。真実はその逆です。優秀な「個」に依存すればするほど、組織としての認知能力は退化し、学習回路は断絶しやがて組織は「脳死」します。このパラドックスこそが、現代のコンサルティング業界が抱える最大の病理であり、私が宣戦を布告する対象、すなわち「知的な欺瞞」の正体です。

      本稿は、業務改善の提案書ではありません。これは、個人の天才性に寄生し、組織という生命体の進化を止めてきた古いシステムに対する告発状(マニフェスト)です。

      第1章:認知の空洞化:「ヒーロー」という名の病原体

      1-1. 組織的健忘症のメカニズム

      なぜ、あの伝説的なパートナーが去った途端、プロジェクトは迷走し、品質は地に落ちたのか。多くの経営者はそれを「人材の損失」と嘆きます。しかし、認知科学的に見れば、これは「組織的認知症(Organizational Dementia)」の発症にほかなりません。

      人間の脳において、記憶やスキルはニューロン同士の結合(シナプス)によって保持されます。組織において、そのシナプスに当たるのは「形式知化されたプロセス」や「共有された文脈」です。ところが、コンサルティングファームの現場では、このシナプス形成が致命的に阻害されているのです。「スター・コンサルタント」と呼ばれる優秀な個人の脳内では、高度なパターン認識や直感的なヒューリスティクス(経験則)が高速で回転しています。彼らは複雑な課題を瞬時に解きほぐし、見事な解を導き出す。一見、理想的に見える光景です。しかし、その思考プロセスが言語化されず、ブラックボックスのまま処理されるとき、組織は「彼がいなければ何もわからない」という状態に陥ります。これは、外部記憶装置に依存しすぎた結果、海馬が萎縮していく現象に似ています。「あの人に任せておけばいい」という安堵は、組織学習を麻痺させる甘い麻薬です。特定の個人に過度に依存することは、組織から「自ら考え、記憶し、再現する力」を奪います。私たちはヒーローを崇めるあまり、組織という生命体の脳を、自ら空洞化させてしまったのです。

      1-2. 「暗黙知」の私物化とエゴイズム

      なぜ、知識は共有されないのか。よくある「忙しいから」「ツールが使いにくいから」といった理由は、表面的な言い訳に過ぎません。深層にあるのは、もっと根源的な「実存的不安」と「エゴイズム」なのです。

      多くのコンサルタントにとって、自らの価値の源泉は「他者が知らないことを知っている」という情報の非対称性にあります。彼らにとって、独自のノウハウやクライアントとの阿吽の呼吸(暗黙知)を形式知化し、誰でも使えるマニュアルに落とし込む行為は、自らの優位性を放棄し、コモディティ化を受け入れることと同義です。「私の仕事はアートであり、マニュアル化できるようなサイエンスではない」。そう嘯くことで、彼らは自らの聖域を守ろうとします。しかし、社会工学的に見れば、これは本来組織の資産であるはずの知識を、個人が私物化し、不当に独占している状態(レント・シーキング)に他なりません。このエゴイズムが放置された組織では、知識は血液のように循環せず、個人の周囲で澱み、やがて腐敗します。離職とともにその知識は失われ、残された組織は再びゼロから車輪の再発明を強いられるのです。これを「知的浪費」と呼ばずして、何と呼ぶのでしょうか。

      第2章:構造的詐欺:「ガチャ」ビジネスの不都合な真実

      2-1. ブランドという幻影、担当者という現実

      コンサルティングビジネスの構造には、致命的な欠陥があります。クライアントは「マッキンゼー」や「アクセンチュア」といったファームの「ブランド(組織としての知性)」を信頼し、その看板に対して契約書へサインをします。
      しかし、実際にプロジェクト現場でデリバリーされる品質は、アサインされる「担当者個人の力量」にほぼ100%依存しているのです。極端な話、同じファームの看板を掲げていても、チームAは世界最高水準の戦略を描き、チームBは新卒同然の浅薄な調査しかできない、そんな事態が日常的に発生しています。これは、消費者が均質な品質を期待して対価を支払うビジネスにおいて、決して許されない「品質のガチャ(確率的ギャンブル)」ではないでしょうか。

      製造業であれば、製品ごとの品質にこれほどのばらつきがあればリコール対象です。しかし、コンサルティング業界では「人による」という一言で、この構造的な詐欺が免責されています。なぜなら、ファーム側にとってこの「属人化」こそが、高利益率を維持するための便利な隠れ蓑となっているからです。ナレッジを標準化し、誰が担当しても一定の品質を出せるようにするには、巨額の投資と抜本的な構造改革が必要です。それよりも、「個人の頑張り」に依存し、品質のばらつきを「多様性」と言い換えて放置するほうが、短期的にはROI(投資対効果)が良いのです。この歪んだ経済合理性が、いまや業界全体を支配しています。

      2-2. 「車輪の再発明」が生む利益

      さらに踏み込んで言えば、コンサルティングファームには「知識を共有しないインセンティブ」さえ働いている可能性があるのです。もし、過去の類似プロジェクトの知見が完全にデータベース化され、AIによって瞬時に引き出せるようになれば、コンサルタントが数週間かけて行う「現状分析」や「ベンチマーク調査」の工数は激減するでしょう。それはクライアントにとっては福音ですが、工数ベース(人月単価)で売り上げを立てるファームにとっては、収益機会の損失を意味します。

      あえて非効率なままでいる――。

      • 過去の知見を埋もれさせ、毎回ゼロから調査を行うこと。
      • 属人化を放置し、特定個人の「職人芸」を高値で売ること。
      • これらが利益を生む構造になっている限り、自発的なナレッジマネジメントなど夢物語だ。社会工学的に言えば、システムそのものが「知の共有」を罰し、「知の隠蔽」に報酬を与えているのです。

      第3章:2025年の断絶:AIが暴く「裸の王様」

      3-1. 「文脈」のデジタル化という衝撃

      しかし、この欺瞞の宴も、いよいよ終わりを迎えようとしています。生成AI(GenAI)の登場は、単なるツールの進化ではありません。それは、コンサルティング業界が長らく守り続けてきた「暗黙知の聖域」に対する、いわば強制捜査です。かつてのAI(旧来のLLM)は、数値や定型文といった構造化データしか扱えませんでした。
      しかし現代のLLM(大規模言語モデル)は、これまで人間にしか理解できないとされてきた「文脈(コンテキスト)」を読み取り、言語として再構成する能力を獲得しています。議事録、メール、チャットログ、断片的なメモ――これまで価値なきノイズとして捨て置かれていた非構造化データの中から、AIは「なぜその意思決定がなされたのか」「その背後にどのような政治的力学があったのか」といった高度な文脈を抽出できるのです。では、これは何を意味するのでしょうか。

      • 「私の頭の中にしかないノウハウ」というコンサルタントの最後の砦が、テクノロジーによって無効化されるということ。
      • AIは、職人が隠し持っていた「秘伝のレシピ」を数秒で解析して再現する。

      3-2. コモディティ化する「個の優秀さ」

      これから起きるのは、徹底的な「知の民主化」です。一部のパートナーだけが持っていた洞察、特定のハイパフォーマーだけが可能だった資料作成。これらがAIによって平準化されるとき、「個人の優秀さ」だけで勝負していたコンサルタントはその価値を暴落させるでしょう。かつて「自分にしか成し得ない」と信じていた分析業務の大半は、実際には適切なプロンプト設計とデータ整備によって、誰もが再現できる汎用的プロセスに過ぎなかったことが明らかになります。これは多くのプライド高きプロフェッショナルにとって、耐え難いアイデンティティの危機(クライシス)となるはずです。しかし、これは組織にとって大きな好機です。特定の個人に人質に取られていた「知」が解き放たれ、真に組織の共有財産となる契機となるからです。

      第4章:知識中心型組織(Knowledge-Centric Org)への回帰

      4-1. 個人戦から「集合知戦」へ

      私たちは、戦い方のルールそのものを根本から書き換える必要があります。これからのコンサルティングファームにおける競争優位は、「どれほど優秀なスタープレイヤーを抱えているか」ではなく、「どれほど速く、個人の知を組織の知へと変換・循環させられるか」という「代謝速度」によって決まります。目指すべきは、一人の天才が牽引する組織ではなく、凡庸な人々であってもシステムと文化の力によって一人の天才を凌駕する成果を生み出せる組織です。すなわち、「集合知(Collective Intelligence)」の最大化こそが次代の指標となります。その実現には「評価制度」、すなわち「インセンティブ設計のハッキング」が不可欠です。個人の売上やデリバリー品質だけでなく、「どれだけ他者の知を借りたか(Re-use)」そして「どれだけ他者に知を提供したか(Contribution)」を報酬と昇進の最重要KPIに据えます。「自分でゼロから作ること」を恥とし、「巨人の肩に乗ること」を美徳とする文化への転換なのです。

      4-2. 組織の「脳」を編み直す

      これは、組織の神経系(OS)を書き換えることに他なりません。ナレッジマネジメントシステムは、もはや「資料の保管庫」ではありません。それは、組織内のあらゆる対話、思考、判断をリアルタイムで学習し、必要な時に必要な知恵をコンサルタントに囁く「第二の脳(Second Brain)」へと進化しなければならないのです。認知科学的に言えば、これは「分散認知(Distributed Cognition)」の実装です。思考を一個人の頭蓋骨の中に閉じ込めるのではなく、チーム全体、さらにはAIを含めたネットワーク全体に分散させ、処理する。そうすることで初めて、組織は個人の離職や能力のばらつきといった不確実性から解放され、持続的な学習と進化の軌道に乗ることができます。

      結語:欺瞞の終わり、真の知性への回帰

      私たちは長い間、幻影を売ってきました。個人の能力を組織の力と偽り、属人的な芸当をプロフェッショナリズムと称していたのです。しかし、そのツケはすでに回り、組織の脳は死にかけています。今こそ、この欺瞞に終止符を打つ時です。「優秀な個」への依存を断ち切り、ブラックボックス化された暗黙知を白日の下に晒すのです。そして、組織そのものを、自律的に学習し続ける一つの巨大な知性へと進化させなければなりません。クライアントが真に求めているのは、使い捨ての傭兵ではありません。共に悩み、共に進化してくれる「組織としての叡智」です。その期待に応えられないファームは、AIの波に飲まれ、歴史の彼方へと消え去るでしょう。これは警告ではありません。すでに始まっている淘汰の現実です。あなたの組織は、まだ「個人」の寄せ集めですか。それとも一つの「知性」として脈打っていますか。答えはあなた自身の行動の中にあります。

      © 2025 Yasuyuki Sakane (yasuyuki@sakane.dev) All rights reserved.

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